重要伝統建築物として認定されている伊根の舟屋をリノベーションした1棟貸の宿。 近年、舟屋が人気になった事で観光客やインバウンド需要が増えたが、山と海に挟まれた集落は娯楽施設やコンビニもなく街灯も少ない静かな住宅地である。 宿泊者は周辺の散策か建物の内部でゆったり過ごす時間が多くなるので、滞在時間の豊かさを追求した計画としました。 伊根の集落は道路を境に山側に母屋(生活拠点)海側に蔵と舟屋(生業)という配置になっており建物の間や舟屋の隙間に切り取られた海が見える。 FUNAYA藏もそういった暗い室内を介して海に視線が抜ける様な空間を目指した。 機能としては簡単な料理のできるキッチンとリビング・水回り・2階に2つの寝室と浴室がある。浴室にはサウナを設け隣接するデッキで外気浴が楽しめる様になっている。 既存の構造体は天井が低く表しとなる部分の新旧を繋げるような仕上げを目指した。 また漁師もしている施主の仕事の廃材である、鯛の鱗や牡蠣殻を和紙に漉き込んだ和紙をインテリアに使用している。