
総長120mの棚が専有部と共用部を越境しながら様々な用途・場所を繋ぐ、イベントスペース・保育所併設のシェアオフィス NTT都市開発の手がける、イベントスペース・保育所併設のシェアオフィスである。 同社が開発し入居もする、JR秋葉原駅前の複合オフィスビル「秋葉原UDX」の4Fに位置し、単なるシェアオフィスの構築だけではなく、それによって4F全体を活性化し1F-3Fの商業フロアと5F以上のオフィスフロアをスムーズに繋ぐことが期待された。 敷地として提示されたのは2つのテナント区画である。しかし2区画はビルのセンターコアを挟んで離れており、コア周りの共用通路を介してしか行き来が出来ない。僕らが最初に行ったしかし最大の提案は、専有部内だけに手を加えるのではなく、工事範囲を共用部に越境し、無理矢理にでも2区画を繋げることでシェアオフィス全体の一体感を作ること、また共用通路を単なる交通空間ではなくシェアオフィスの一部とすることで、ワーカーの振る舞いをフロア全体に拡張し活性化を図ろうということであった。 そこで用意したのが、総長120mの長い棚である。この棚はラウンジのディスプレイ棚として始まり、シェアオフィスのブースや個室の間仕切り、ロッカー、共用通路の誘導サイン、保育所へのゲート、会議室の収納棚、イベントスペースでの可動間仕切り、と機能を変えながら専有部→共用部→専有部と境界を貫通し離れた2区画を繋げる。 稚拙ではあるが、即物的に何かを連続させることは場の繋がりを生む上で非常に有効な手段である。何かフワッとした空間性を語るのではなく、質量のあるモノを作ることで明確に状況を生み出そうとする姿勢が、今後益々設計者には必要だと感じている。