DANDELION CHOCOLATE Kuramae

ビルディングタイプ
カフェ
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PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 設計
    Puddle
  • 担当者
    加藤匡毅、moyadesign 羽場友紀
  • 施工
    アンドエス
  • 撮影
    Takumi Ota

70%のオリジナルに、30%のクラフトワークを加える。 東京台東区・蔵前。江戸時代の米蔵から戦後の玩具問屋まで保管・倉庫としての色合いも未だ残るこの地は、近年モノつくりをする人たちの拠点や、海外からの旅行者の宿泊聖地としても注目をあつめているエリア。 市民の憩いの公園と環境学習施設に囲まれた、築50年以上の倉庫建築を、サンフランシスコ発のbean to bar コンセプト「DANDELION CHOCOLATE」海外一号店としてリノベーションするプロジェクトである。 カカオの豆保存から選定、焙煎、そしてチョコレートバーのラッピングまで全ての工程を行うチョコレートファクトリーとスタンド。そしてカフェとワークショップスペースの設置が求められた。 同ブランドのbean to bar プロダクトのシグニチャーであるチョコレートバーは、70%のカカオ豆と30%のケインシュガー(きび砂糖)のみを手作業でつくり、それぞれのカカオ産地の特徴を際立たせる味となっている。 私達の目的は、経年変化したオリジナル建築の美しさと力強さを、丁寧に解体・補強し、視覚化すること。そして職人によるクラフトワーク(手仕事)によってつくられた機能を用いて新たな価値を生み出すことであると設定し、設計を始めた。 公園に対して広がるエントランスはガラス開口を幅広く取りつつも、庇を設けることで高さを抑え近隣の建築に対して馴染むよう計画をした。カカオ豆の保存、選別スペースが公園からも見えるように設置し、お客様への期待感とともに、ここが何のスペースであるかを伝える効果を狙った。カカオ豆の袋を横目に、数段の階段を登り内部に入ると、既存建築の床・天井を丁寧に残し、磨き上げたチョコレート工場の全貌が目の前に広がる。カカオの匂いと製造機械の奏でる音、パッケージ、提供するスタッフとお客様が、振り返ると広がる公園ビューの中で渾然一体となり混ざり合う空間を目指した。 一方、階段を上り2Fにあがると既存建築の柱梁を露出した、カフェが広がる。空間体験を優先にゆったりと過ごしてもら得るように席数は詰め込まず、配置した。またチョコレートにまつわる様々なワークショップ用に、ガラスで仕切られたスペースを設けた。固定したテーブルを覗き込むと眼下にチョコレート工場が見える仕掛けを用意し、ワークショップに臨場感を持たせる効果を狙った。 建築、家具、植栽、音響、グラフィックなど、細部にまでわたるクラフトワークによってつくられた「場」は、全てのチョコレート製造工程を自社で行う「DANDELION CHOCOLATE」のBean to Bar コンセプトと合致し、お客様と作り手の双方にとって、唯一無二の空間体験となる「場」を提供する。ここから一秒、一日、一年と変化し育って行く「場」となるように願いをこめて。

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