“文化” を物流へ届けること。 もっとかっこいい、ゆたかな物流をかたちにできると信じて始まったプロジェクト。 物流領域を豊かにアップデートする為に様々なアーチストやクリエイターを迎え、オリジナルの梱包サービス、ワークショップ、グッズの販売を行う実店舗の空間をデザインしました。 アートホステルとしての役目を終え12店舗が入居する小規模アート複合施設として生まれ変わったkumagusuku。 ホステルの元風呂•脱衣室のスペースがMerry logistics real storeのスペースとして与えられました。 効率を追求し巨大化しながらロボット化する物流業界。もちろん効率性や経済性は大切な事ですが、本来モノを届けるという事は人の愛や想いを当人に代わり届けるとても尊い事。私達はそういった物流の根本を大切にするこのプロジェクトに相応しい空間を表現したいと考えました。 そこでこの小さなスペース(1.1m×3.2m程)の中に床、壁、天井が自立した木箱を置き、その壁と天井に無数の穴を開けました。角が45度にカットされた無数の穴はいわば壁や天井にかけられた無数の額縁です。額縁の中にここで使用されるラッピングの商材が額装されることで単なる商材ではなく想いを届ける大切なアイテムとして昇華させる事が出来ると考えました。木箱は自立しているので既存の壁や天井に配置した照明の光が穴全体を照らしています。木箱には包装紙をカットしたり梱包材を組み立てるスペースや紙のストック機能も備えています。 クライアントが物流業界に効率性と愛情の両極を求めている考えと同じく、私達も効率性と愛情の極を追う作り方に取り組みました。効率性を高める為CNC加工(設計図データをマシンへ直接入稿しベニヤ板をカット)の技術を採用しました。データ入稿から一週間で現場へ納入、現場組み立ては約2日で完成しました。効率性だけでなく私達も自ら柿渋を塗布したりクライアントには額装をカスタマイズしてもらい愛情を注いでもらう。正にMerry logistics の目指す意味を建築にて表現したこの空間は、私達からクライアントへのギフトボックスです。