
女性二人が始めるヘアサロン。彼女達はここをatelier toiroと名付けました。toiro とは十色。そして+色。様々な個性や経験を持った人がこの場所で才能を開花させる事ができる場所をイメージしているとお聞きしました。ヘアデザインは表層のデザインかと思いきや実はその下地をいかに美しく整え、そして持続させ美しく表面化させるかが重要だと知って大いに感銘を受けました。そしてそれはtoiro(才能の下地を作る)の精神そのものだと受け止めました。そこで私達はこのインテリアを、「内面を整えそれ自体が美しく個性を放つ空間」としてデザインしました。整然と並んだLGS、コンクリート、ALC、断熱材、フレキシブルボード、鉱物を練り込んだテラゾー、ラーチ合板は全て素地のままの仕上前の状態を封印しています。またファサード面を約2Mセットバックさせ、既存のビルファサードのデザインコードとは縁を切りました。そうする事でビルの二つの開口部の向こうにヘアサロン独自の連想するファサードが獲得され、生まれた軒下空間が街に開かれ周辺に馴染むようになると考えたからです。 既知のデザインではない、しかし建築業界の人なら誰もが知っている美しい下地の状態を受け入れた彼女達のヘアサロンはこれから沢山の才能の下地を作りだす場となりお客様が本来持っている個性を表面化させ、世に送り出していく事になります。
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