ESR尼崎DC KLÜBB エリア

ビルディングタイプ
工場・倉庫

DATA

CREDIT

  • 設計
    タカトタマガミデザイン株式会社
  • 担当者
    玉上貴人, 佐藤裕樹(元所員), 設計協力:Architectural Design Office 【hyphen】松山タカシ
  • 施工
    施工:大成・長谷工・銭高・ノバック・神鋼興産建設JV、照明:ウシオライティング株式会社
  • 撮影
    吉村昌也

アジア太平洋地域最⼤の延床⾯積を誇るマルチテナント型物流施設内の休憩ラウンジ及び託児所である。テナント誘致、人材確保の目的だけでなく需要拡大著しい物流業界において「HUMAN CENTRIC DESIGN.(人を中心に考えたデザイン)」のブランディングのもと設けられたものであり、本施設で働く人は誰でも利用できる。 ・6階休憩ラウンジ 間口11m奥行55mに及ぶ大空間をヒューマンスケールに落とし込む為、円弧状の垂れ壁を挿入することで特性の異なる空間に仕切ることにした。垂れ壁に囲われた空間を「広場」、それ以外の余白空間を「路地」に見立て、それぞれに異なる天井高と仕上げを与えた。 円弧状の垂れ壁が織りなす「そり」と「むくり」は魚眼レンズを覗いたときのような非日常性を演出し、歪んだパースによって利用者を奥へと誘導する効果を生むと考えた。垂れ壁は下端を斜めに切り落としたようなかたちとすることで波型の様々な高低差をもった目隠しとして機能させた。これは利用者に様々な居心地の場を提供するだけでなく窓外の六甲山の稜線と呼応し、風景を印象的に見せる役割も担っている。 敷地は大阪湾に面した埋立地でかつて火力発電所が建っていた。建ち並んでいた円筒型タンクの名残からか円弧が連なった形状の護岸が今も残る。これは複数の波紋が重なる波の干渉をモチーフとし人と人の距離、空間と空間の密度をコンセプトとしたラウンジの垂れ壁形状と奇妙なシンクロニシティを起こしている ・1階託児所 間口いっぱいに子供達の目線にあわせ低く抑えた地窓を設置し、まだら模様の床を屋内から屋外園庭へと連続させた。抽象的なまだら模様は空間的な広がりを生み出すだけでなく、子供達の衝動を促す仕掛けになっている。島々を渡るようにジャンプするかもしれないし、模様に沿って走りだすかもしれない。模様が何であるか子供たちは様々に捉え、自ずと様々な遊び方を見つけるであろう。他にも木の幹の洞に見立てた読書室や果実のようにぶら下がるペンダント照明など、様々なモチーフをちりばめた。子供達の自由な想像と行動を喚起する、豊かな感性を育む場になることを期待している。

物件所在地

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