
様々な環境を受け入れ、この地ならではの建築を目指した小さな住宅です。 計画地は典型的な日本海側気候です。 年間日照時間が少なく、降水量も多い。積雪量も1mを超えることもあり、夏はフェーン現象により猛暑日を記録することもあります。 その中でまず目につけたのはカーポートの存在。積雪の多いこの地域は大概の家に設置されており、ある種の街並みを作り上げています。 そのカーポート文化をポジティブにこの建物では積極的に受け入れていることを考えました。 一般的にはネガティブに添えられがちな要素を見つめ直すことで、地域の新たな景観形成に作用することができたと同時に、この地の環境特性も受け入れるおおらかな住宅を計画する事ができました。 一見バラックのような立ち振る舞いは、この地の環境を丁寧に読み解いた上での成果品です。 また、架構計画はカーポート車1台分の幅普及サイズ、2.7mを1グリッドとし、それを徹底し反復しています。梁は120×270サイズで統一。 グリッドを横断する大きな火打はその半割り、60×270サイズを製材することで部材ロスを減らし、経済効率の良い架構形式を実現しています。 無理なく普及品を活用、トータルでまとめていくことで、本建物は、この地における新たな持続可能な住宅生産モデルを示唆しています。 大雪から建物を守るため折板屋根を大きく跳ね出し、腰壁にはシールレスなモルタル壁を採用しています。 大雪時は腰壁が雪に沈み、木架構と折板屋根が真っ白な景色の中に印象的に浮かび上ります。
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