
DATA
- ビルディングタイプ
- 幼稚園・認定子ども園・保育所
- 構造
- 木造
- 工事種別
- リノベーション
- 延べ床面積
- 450㎡
- 竣工
- 2017-07
CREDIT
- 設計
- 小室下司建築設計事務所
- 担当者
- 小室匡示 下司歩
- 施工
- 建築舎四季株式会社
- 構造設計
- 金田泰裕/yasuhirokaneda STRUCTURE
- 撮影
- 松崎直人
群馬県前橋市の「幼保連携型認定こども園 清心幼稚園」が新たに運営する、一時保育を行う保育室の計画です。 保育室の設計を行うにあたり、依頼主である副園長先生から2つの要望が共有されました。1つ目は、子ども達にとって、日常的で家庭的な保育空間にすること。2つ目は、一度に完成させるのではなく、小規模の保育室から始め、継続的なアップデートを行うことで、敷地が保育施設に変化していく過程を地域に公開し、清心幼稚園が実践する、地域との対話を通じた保育を建築として実践すること。こうした要望を踏まえ、既存建物の形式を活かした改修という方法で設計を行いました。 敷地は、清心幼稚園の既存園舎から程近くの、元は国所有の官舎だった場所です。元の敷地は高いコンクリートブロック塀に囲まれていましたが、地域に開かれた保育施設という要求から、ブロック塀を解体し、敷地を風通しの良い場所としました。同時に、子ども達のプライバシーを守るため、既存建物の北面、西面の外壁を敷地境界線まで延長した、新たな壁を加えました。周辺のブロック塀に呼応するように、粗い左官と塗装で仕上げた「壁」を手かがりに、内部・外部共に様々な造作を施すことで、継続的なアップデートに対応します。また壁に対して、園庭も含め、一定のリズムの開口を設えることで、保育室の気配を町に伝え、子ども達も町を身近に感じることができます。 一見して、住宅のようでもあり、“保育施設らしさ” のない外観ですが、町の風景として元からあった、「壁」(塀)という要素を骨格として、敷地全体を含め、住宅を拡張していくことで、内外それぞれの気配が染み出し、地域の中に子ども達のいる風景が、日常に馴染んでいくような状況を目指しました。 2017年夏の時点では、外壁を含めた建物の半分と園庭の一部が保育環境として完成しています。アップデートを前提として、敷地の半分以上が最低限の仕上げが施され、工事途中のように未完成の部分が見え隠れしている状況です。こうした一般の保育環境にはない、遺跡や廃墟のような場所が保育室の身近にあることが、子ども達の新しい発見や遊び、保育士の保育環境づくりを促してます。 小室下司建築設計事務所では、清心幼稚園の既存園舎内に現場設計事務所を構えることで、こども達や保育士の活動を身近に感じながら、工事の大小に関わらず、継続的にアップデートを行っています。同時に、近隣の2つの既存園舎や園庭の改修も予定されており、そのプロセスを、おおてまちこども園同様、視覚化していくことで、保育室を超えた、こども園の周辺地域全体のアップデートに繋がればと考えています。