都心の大通りに面したビルのメゾネットをリノベーションするプロジェクト。 既存建物の前には、多くの車も行き交う大通りが走り、ところ狭しとビルが建ち並ぶ。地方での転勤生活が長かったクライアントご家族は、床に座って過ごすことも多く、ちゃぶ台で食事もとる。そこで、「座」を基本とする重心を低く設定した空間を考えた。 窓際には収納を兼ねたベンチをしつらえ、窓辺からまちを眺めたり、床に座っている時には背もたれともなる。天井は開口に向かって勾配をつけることで、低い重心から開口部上方へと視界が広がってゆく構成としている。アイレベルが高いと開口部を隔てた向かい側のビルが視界に飛び込んでくるが、ひとたび床に座ると、ビルのその先には空が大きく広がっている。