地産の食物を提供する料理屋と小さな商店が集まった複合施設。肥沃な土・強い日射し・適度な雨によって木々は大きく枝葉を茂らせ心地よい木陰をつくり、果実や野菜が豊かに実る場所にある。周辺は丘陵地であるが、敷地に立つとそのことに気づかないほどなだらかな斜面である。5本の既存樹木を避けるように配された長方形平面はコンタラインにほぼ直角となり、地面から大屋根に潜り込むようなアプローチとなっている。茅葺の大屋根を支える木フレームはユーカリ材を用いた。最も市場に流通している材木の一つであるが、成長が早く植林後すぐに現金化されるため、枝のような若い状態で伐採され、工事現場の支保工や足場として使われることが多い。製材や乾燥などの工程を丁寧に監理することで、特性を活かした架構を実現した。重機を使うと一気にコストが上がるため、部材をできる限り地面で組み立てて、人力で一本一本建ちあげていった。必要箇所に丸鋼Φ12mを溶接したブレースでつなぐことで大屋根のフレームを成り立たせている。シンプルで伝えやすいこと、このことが、建設過程に於いても重要となった。

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クレジット

  • 設計
    テレインアーキテクツ/TERRAIN architects
  • 担当者
    小林一行 樫村芙実 山下慎之介 Albert Wassa
  • 施工
    分離発注, Cots Cots Ltd.、設計協力:Dream Architects、設備:Zoreka 担当/Frank Mukunzi
  • 構造設計
    Erias Walugunbe, 金田充弘/東京藝術大学, 鈴木芳典,五十嵐日奈子/TECTONICA. INC
  • 撮影
    Timothy Latim

データ