中央通り沿いに建つビルの健診施設。健診時は、比較的長い時間を施設内で過ごす。その時間と空間を、単に受診をするという受動的なものにとどまらず、健康と、健康のその先にある自分自身の生き方を、能動的に考え再発見をするための場として過ごすことのできる施設を提案した。 平面計画は、大きな開口部スペースを最大限に生かし、そこにロビー・ラウンジ・ライブラリーを配し、コア側・壁側に各種健診室を配した。長細い平面形状を持つ施設内を35mのまっすぐな軸線が貫き、間接照明によってゆるやかに診察動線が導かれる。視線が通るこの軸線の配置は、運営オペレーションの効率性にも考慮している。ライブラリーには、山口博之氏のブックディレクションによる、「何のために」「どうやって」健康になるのかをテーマにした本がならび、思い思いの場所で、ゆったりとくつろぎながら読むことができる。 腰を落ち着ける椅子やソファは、場所場所によって機能のメリハリをつけることで、のんびりと居眠りをしたり、集中して仕事をすることもできるよう配慮している。 1Fに併設された多目的なスタジオとも相互に連携をはかることで、ここを訪れた人が、自身のKARADAと向き合いながら自身のあり方を見つめ直す、そんな新しい場となってほしい。