敷地は大阪府堺市、昔ながらの古い町並みと現代的な住宅が混在するエリアである。本敷地西側には築80年の主屋が建ち、新築する住宅とは中庭とウッドデッキを介してゆるやかに繋がる計画とした。北側道路への圧迫感を緩和するため、そして中庭へ光を導くために、北・西を水下としたガルバリウム鋼板菱葺きの大屋根をかけ、水下側を建物から大きく跳ねだすことで大きな軒下空間を確保した。 内部は、中庭側(西側)にパブリックスペースを配置し、東側に水廻りやストックルームなどを集中させる計画とした。LDKとウッドデッキの軒下空間が木製建具でつながり、天気の良い日は建具を開放することでそれぞれが一体化できるようになっている。 現代的な造り方をした大きな菱屋根がどこか懐かしい印象を与え、家族をやわらかく包み込む、そんな住まいとなった。
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