
mt新倉庫はフォークリフトの最小回転半径と通路,建物の耐火性能によってその規模が決まり,敷地全体の防災計画による建屋同士の離隔距離,防火水槽との距離などによって敷地内の配置が自ずと決まっている.さらに両隣の倉庫の妻面のファサードを意識して建物の長さを揃えた.そうやって,今まで都度バラバラに建てられてきた工場の建物が,生産の場所の持つ特有のスケールによって繋がり,工場の風景が徐々に街並みの様相を呈してくる. 本来であれば工場の玄関口である門の近くの事務所棟をまず新しくすることから始めるだろう.しかしmt工場プロジェクトは,正面入口からではなく敷地の奥にあるかつてこの工場の核であった建物が,第三攪拌工場史料館として人びとの交流の場に生まれ変わったことからスタートした.敷地境界には目隠しのフェンスがなく工場の奥までが住宅地から見通すことができるので,ものづくりの現場が工場の顔となるように,工場建築も周辺に開かれ始めている.今後も敷地内の建物は長い年月をかけて増改築を繰り返していくだろう.工場は生産の「場」として無限の可能性を秘めている.
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