新宿三丁目に位置するアクアリウムダイニングの計画。 当該テナントは古いビルであるため、重量のある水槽は梁上近辺に設置することになり、平面計画は非常に困難なものとなった。 海をイメージさせる空間を計画する上で問題となったのは2.1mという天井高。あまりにも低い天井では壮大な海のスケール感を再現できない。また、水槽上部にメンテナンススペースが必要であるため、水槽も低いものに制限され、水槽自体に迫力を持たせることが難しかった。そこで天井に鏡面を設置することで垂直方向への感覚的な気積を倍にし、空間を閉塞感から解放した。これにより天井鏡面に映り込む水槽の存在感もまた大きなものとなる。部分的にACや照明などの設備を配置した丸い円盤を鏡面天井に浮かべることで、水面の下にいる錯覚を与え、まるで海底で食事をしているような体験を提供している。