散歩道 Delivered. 本プロジェクトはフィンランドに本社を置く外資系フードデリバリーサービス会社「Wolt」の日本オフィス移転計画である。クライアントから示されたデザインクライテリアは「円滑なコミュニケーションを叶える空間であること」「カジュアルで居心地の良い執務空間であること」「”Wolt”らしさを表現すること」の3つ。これらのクライテリアを達成するために掲げたデザインコンセプトは「”散歩”道」。フロアのまっさらなキャンバスに、まずは「道」を計画した。人と人との出会いの場である「道」が、カジュアルにミーティングできるファミレス席、スタンディングワーク向きのカウンター、集中ブース、ミーティングルーム、カフェテリアといった「沿道」の多様なオフィス空間をつなぐ。またABWの執務エリア内には高い壁は設けず、フラットな社風を体現することで、見通しのいいオフィスを実現した。 家具計画においては、多様な働き方を叶えるバリエーション豊かなアイテムを配置することのみならず、グローバルな拠点をつなぐ全社会議「All Hands Meeting」の器としての役割も求められた。フロア中央に設けた求心性のあるベンチも「All Hands Meeting」での利用を第一義に計画されている。 また、ブランドロゴを背景にした「Photo Spot」、ブランドのグラフィックを全面にプリントした「Feature Wall」など、遊び心にあふれたWoltのブランド要素をFocal Pointとして随所に盛り込んだ。 「道」を巡ってユーザーに幸せを届ける彼らのサービス然り、その拠点もまた「道」の効果によってより良いサービスの基盤になり続けることを願う。
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