三田I邸リノベーション

中古物件の購入者である施主からの依頼である。設備が老朽化していたこと、天井が低く圧迫感があること、間取りが使いにくいことなどの欠点、また北側隣地の緑の眺めを楽しみたいなどの要望から、フルリフォームによる、施主のライフスタイルに適した住宅の提案が求められた。 リフォーム前は、南側リビング+長い廊下+個室群の典型的なプランであった。 それに対し、玄関すぐに家族の集まる部屋を配置し、そこから各部屋へとアクセスするような「廊下のない」プランとした。 水回りや収納、子供部屋など、使い方の決まった諸室を出来るだけコンパクトに集約し、南北に長い条件を逆手にとって「南の直射日光の寝室=roomS」、「北の明るい緑を眺めるリビング=roomN」、「中央の人工照明による真白な部屋=roomC」という異なる特徴の光環境の部屋を3つ確保し、季節や気分に応じて思い思いに使えるようにしている。特にroomNは、北側からの光をなかむらしゅうへい氏の特殊塗装による壁面が増幅し、緑色の光で柔らかくつつまれる空間を生み出している。

クレジット

  • 設計
    ラーバンデザインオフィス、特殊塗装:なかむらしゅうへい
  • 担当者
    雨宮知彦
  • 施工
    ゆとりフォーム
  • 撮影
    山岸剛

データ