aoihana

老夫婦のための終の棲家である。自宅で不自由なく暮らし続けたいという希望を実現するために、歳を重ねることが苦にならない居住環境を目指した。高齢者を対象に、脳科学や身体運動など機能評価と心理評価の両面から研究を進めている。研究で得られた知見を基礎データとしながら、1.操光と照明環境の調和、2.インテリアのゾーン化、3.機能のユーモア化、4.素材と色彩による演出、という4つの指針を具現化した。 1は、室内で過ごすことが多くなる高齢者が、屋外のように1日の変化、季節の移ろいが感じられるよう天井面で採光を操る工夫をした。2は、玄関からリビング、ダイニングキッチン、浴室、寝室と連続した手摺り機能を、インテリアの一部として組み込んでいる。3は、コンセントや各設備のスイッチ、サッシ枠を隠すのではなく、額縁のように顕在化させることで、使いやすさという機能のほかにちょっとしたユーモアを加えるデザインとして対応している。4は、壁面の色相は建主の趣向を反映し、化粧板付きの手摺りが家具などインテリアと調和のとれた色彩となるように考慮している。 「aoihana」は、機能と性能と共に感性を刺激する仕掛けを施せないだろうか、という視点で設計した高齢者住宅である。

チーム

メンバー

クレジット

  • 設計
    タイプ・エービー 家具:みずのかぐ キッチン:フォルムデザイン 外構・造園:GROUND 照明計画:MAXRAY
  • 担当者
    伊藤孝紀、高橋里佳
  • 施工
    高垣組
  • 構造設計
    構造設計室なわけんジム
  • 撮影
    吉村昌也(コピスト)、車田保(車田写真事務所)、Kurumata Tamotsu(Kurumata Photography Office)

データ