
PROJECT MEMBER
大阪の上本町の家。 施主は建築インテリアデザインが好きで、、度々写真共有サービスで気に入ったイメージ写真を送ってこられた。イメージ写真を整理し、さらに新たにイメージを提案しながら打ち合わせが進み、各所のシーン(空間)のデザインを決定づけていき、気がつけば設計打合せ期間は3年近くに及んだ。 また、与えられた敷地に対し、如何に要望を満たし、快適な住空間が提案できるか熟考を重ね、辿りついた案は、南東側に庭を設け、それを囲むようにL字型の建物を3層にわたりスキップフロアで段々と上がっていくシークエンスを意識した案だった。 ところどころ穴を開けるように、ガーデンスペースを4箇所設け、内部と外部をつなぐ装置とした。 玄関から半階分下がった半地下に和室(ゲストルーム)と書斎を設けた。 和室に至る廊下はあえて長い通路とし、期待感を煽り、浮遊した舞台のような和室が現れる。 和室から坪庭を鑑賞でき、落ち着いた和の世界が地下に広がるデザインとした。 書斎は乳白のガラスを木製の格子で囲み、内部の照明がつくと、廊下に行灯の明かりが滲み出るように計画した。 玄関から半階分上がった1.5階にダイニングキッチンを設けた。 階段の段板は鉄道の枕木を使用した。 ダイニングから南東側のウッドデッキに段差なしで出られるようにし、ダイニングと一体でBBQが楽しめるようにした。 ダイニングキッチンから2階のリビングに至る階段は、幅の大きな大階段とし、空間につながりを持たせた。 リビング正面には厚みのある石を積み重ね、そこから半階下がった庭を眺めることもできる。 リビングから半階上がった2.5階に子供部屋、さらに半階上がった3階に洗面、浴室、寝室、クローゼットを設けた。 空調は、エアコンを用いず、夏は冷水、冬は温水が流れる輻射熱冷暖房のルーバーを各所にもうけ、スキップの階段を介して建物全体が快適な環境になるように考えた。 様々な素材を各所に用いたことにより、スキップフロアと相まって、豊かな空間が作り出せたように思う。