PROJECT MEMBER
歴史と文化と商いと暮らしが混在する大阪の都心に建つ町家(大正14年建築)のリノベーションである。 敷地周辺には現代的な高層ビルが建ち並んでいるが、そのなかには大大阪時代の近代建築や古い町家なども点在する。この町家を後世に受け継ぐため、耐震補強と外観の修景を実施した。現在、町家所有者の想いを受け継ぐテナントにより、ガラスびん専門ショップおよびギャラリー・オフィスとして活用されている。 この計画では、町家を次の時代に展開していくために、4つを基本方針を立てた。 (1)町家の間取りと意匠をそのまま生かせるプランとする (2)小さくて多用途な町家の空間を高密度に使うために新たに回遊動線をつくる (3)時間の重なりが見えるように素材を選び、建築当初の形状に戻す (4)丁寧な復元修景、設備更新、耐震補強をおこなう 歴史ある都心で時間を重ねてきた町家、古くから生活の必需品として使われてきたガラスびん、伝統的な大工技術という古き良き要素に対して、現代的な空間性、耐震補強技術、ガラスびんの可能性の模索といった新しい要素が共鳴しあうようなデザインを試みた。
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