歴史ある軍港・呉の街の高台。 愛犬の散歩中、造船ドッグを見渡す眺めに一目惚れ。 夫婦二人のための「終の住処」として、コンパクトな平屋の住居を計画する。 宅造規制に掛からない範囲の、崖地上部の平地のみを利用。 地盤補強工事に費用が嵩むため、建物のフォルム自体もコンパクトにする。 無機質なボックス外観の隅部をカットし、木製ドアと木質外壁のエントランス をアクセントとした。 港の風景を借景とした LDK には、夫人の手芸スペースを併設。 対面キッチンのダイニング側は、コーヒー好きの主人の為のガストップのみ。 大量の書籍用の本棚以外は、極力裏方の収納スペースにまとめる。 天空の城に比す程のデッキテラスからの眺めが、老後を楽しむご夫婦への一番のご褒美であればと想う。