asatte

ビルディングタイプ
カフェ
15
274
日本 東京都

DATA

CREDIT

  • 設計
    HAGISO
  • 担当者
    宮崎晃吉 / 村越勇人 / 田坂創一
  • 施工
    クラフト
  • 撮影
    Yikin Hyo | 馮 意欣
  • グラフィック
    ROWBOAT
  • 造園
    クロダデザイン
  • 金物制作
    宮川和音

私たちが運営する東京谷中の施設 HAGISOの建物オーナーである宗林寺より活用の相談を受けたのがコロナ禍真っ只中の2020年暮れのこと。地域住民さえ知らないような細い路地に建ち、打ち捨てられた平屋の木造住宅といった風情であったが、ベンガラをかすかに残す下見板張りの外壁や墓地に面する裏庭の鬱蒼とした緑がどこか別世界へ誘うように思われ、思わず魅了されてしまった。当然飲食店は全面的に厳しい経営環境であったことから新たな取組を始めるには戸惑われたが、こんな時こそ短期的な対策よりも未来を見据えた動きをするべきと考え、運営チームと相談し既存店舗のセントラルキッチンかつジェラートをメインとする店舗として計画することとなった。「asatte」という名前は「遠くもなく、近くもない、だれもが描ける明日のもう一歩先の未来を」という思いとともに名付け、関わりのある地方の生産者から届く食材をもとにフードロスの削減や食の新しい可能性の探求に取り組んでいる。 既存の建築の印象を残す外部と対照的に、内部はマッシブな気積をくり抜く洞窟のような手法で計画した。玄関横の元浴室はヴォールト天井のジェラート店舗に。床面積の多くを占める厨房は切妻の勾配と吊戸棚と作業机照明を融合させた天井により、シームレスで清潔な空間としている。抽象的なヴォリューム操作から取り残されたように既存の梁や天井が時折その姿を覗かせる。敷地奥の裏庭に導く路地空間として隣家との間の空地を利用し、裏庭に面した小さな小屋をポップアップショップとすることで、親密で実験的な試みが行われる場として設えた。

物件所在地

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