PROJECT MEMBER
中国、上海市北部に位置する崇明(チョンミン)島の新河区にある地域交流施設の設計です。崇明島は黄河の河口に位置し、主に農業を基盤として発展してきました。現在は新しい地下鉄の計画と共に様々な整備が進んでおり、この施設もその一環として計画されました。改修の対象となった3棟の建物は計画経済時代に建設された生活労働組合の施設で、かつてはここで食材や物資の配給が行われていました。 道に沿って並ぶ直列の3棟の建物は全長120mに及び、建物間の規模や様式の違いから施設全体の一貫性が欠けていました。そこで3棟を円形の外廊下で繋ぎ、利便性を向上させるとともに、新しい庭を設け施設の中心をつくりました。各建物には庭に面して新しい開口部が設けられ、回廊と庭を通じて人々が交わります。庭の中心には、撤去予定だった食材加工に使用されていた煙突を残し、この場所の歴史を伝えるランドマークとして扱っています。また、煙突のデザインは講義棟の窓や床のパターンに応用しています。