森に降りる家

軽井沢の森の傾斜地に建つ別荘です。 東に傾斜する土地で、道路面から見ると平屋の高さの建物になり、景観への影響は最小限に留まるよう計画しました。 外壁は森に馴染む縦ルーバーで、緩勾配の屋根とすることで道路側からも奥の木立が見える高さに抑えています。 2階から入ることになりますが、実は駐車場部分と建物の間には空間があり、そのままだと気をつけないと落ちてしまいます。 そこで鋼板で制作したの玄関ポーチを外壁に接合して駐車場部分への橋渡しとし、落ちることなく入れるようになっています。 玄関に入ると正面に個室がありますが、入り口建具を壁面と同じ素材でつくった大きな引き戸とすることで建具自体の存在感を軽減しています。 この部分は玄関ホールとして軽すぎず、かつ重すぎない印象になるように素材は75mm幅のラワンの羽目板を選んでいます。 2階には個室、バスルームなどプライベートなスペースが集約されています。 階段を降りると天井高さが2.8mの開放的な1ルーム状のLDKになりますが、リビングと階段の緩衝的なスペースとしてリビングより少し床が高い(=天井が低く落ち着いた雰囲気の)ライブラリースペースを設けています。 リビングの一部壁と天井全面の羽目板は2階のラワンの羽目板より少し木目がおとなしく明るいアガチスで、羽目板以外の壁面は漆喰系の左官材です。 部屋を木材で覆うとやや重い印象になりがちですが、素材のバランスと天井高さもあることからすっきりとした印象になっています。 窓の位置は開放感もありながら落ち着いた印象となるよう、内外の羽目板のモジュールと開口率のバランスを考えて計画しています。

メンバー

クレジット

  • 設計
    株式会社エキップ
  • 施工
    株式会社大井
  • 撮影
    柳本英嗣

データ

  • ビルディングタイプ
    別荘
  • 構造
    木造
  • 工事種別
    新築
  • 延べ床面積
    132㎡
  • 竣工
    2020-01