Dance of light

ビルディングタイプ
2
316
大韓民国 Gyeongsangnam-do

DATA

  • ビルディングタイプ
  • 構造
    鉄骨造
  • 延べ床面積
    2722.02㎡

CREDIT

  • 設計
    成瀬・猪熊建築設計事務所 + a round architects
  • 担当者
    成瀬友梨、猪熊純、鳥居希衣、パク・チャンヒョン、チャ・ユンジ
  • 施工
    イルアデザイン金属、チェ·ソクファン
  • 構造設計
    木下洋介
  • 撮影
    西川公朗

日常の中の、光のメディテーション これは、ソウル市が2016年から推進する公共美術プロジェクトの一環で開催された、国際コンペにより実現した作品である。隣接地は長い期間海外の軍隊の基地として使われ、2017年に市民の公園となることが発表された。実際に駅に行くと既存のアトリウムは地下4層にわたる、長くて退屈な移動空間で、ほとんどの人は忙しなく歩いているか、携帯電話を見ながらエスカレーターに運ばれている、という状況だった。 これは、なんとなくいつも忙しい、何かしら細かい情報にさらされている、そうした世の中を象徴するような風景だと感じた。 そこで、私たちはこの駅の空間に、こうした状況から離れて、これから始まる地域の未来を讃え、平和を願うような、あるいは、自分を空っぽにできる、明るく優しいメディテーションの場を作ろうと考えた。  私たちが具体的に作り出したのは、吹き抜のなかに宙吊りにした、真っ白な透けのあるエキスパンドメタルの巨大なドームである。天窓からの直射光がドームの一部を照らして滲み、時間とともにゆっくりと動き続けたり、ドーム全体が柔らかく明るくなったり、夜には周囲の人工照明によって、ドームがほとんど見えなくなる。周囲の回廊からは、ドームはとてつもなく大きなランタンのようにも見える。 今回私たちが設計したのは、とてつもなく大きな光の気積と、とてつもなくゆっくりとした光の移ろいの時間だ。これらはどちらも人のスケールを超越している。 地下鉄の駅を通過するという、瞬間的な機会ではあるが、日々時間に追われた忙しない状況から一瞬離れて、人のスケールを超えた環境を感じることによって、大きな視点から世界と自分を見つめる場になってほしいと思っている。

物件所在地

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