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岐阜県中津川の木材会社が手がける、スイーツとコスメのブランドmeet treeが、銀座に新しくオープンした店舗のデザインです。 中津川を含む木曽川上流域は日本有数のヒノキの産地です。中でも天然ヒノキは木曽ヒノキと呼ばれ、伊勢神宮の遷宮用材にも用いられます。meet treeを手掛ける木材会社は、そうした地域で100年以上にわたり、木材関連の事業を続けてきた歴史のある会社です。大切に守ってきたヒノキの森から生まれる商品と、ひいては国産ヒノキの魅力を多くの方に知っていただく場として、今回の店舗を計画しました。 銀座の一等地の1階・天井高が5.3mという圧倒的に恵まれた環境に、私たちがデザインしたのは、材木そのものを使った巨大な屋根です。中津川のヒノキの森をイメージした深い緑色の空間に、105角のヒノキ材の2つのヴォールトを浮かせました。材木の力強さ・迫力がありながら、独特の浮遊感を生み出し、街並みのなかで大きな存在感を放ちます。 それぞれのヴォールトは、スイーツとコスメのエリアを緩やかに規定します。銀座に生まれた森の中で、木の恵みから丁寧に作られたスイーツとコスメに出会うことのできる店舗です。 【ヴォールトの構成】 2つの木のヴォールトは全てブランドのルーツ、中津川のヒノキ材で作られています。105角のヒノキ材を台形になるようにわずかにカットし、それらを隣同士ロングビスで固定していくことで、大きな弧を描くヴォールトを形成しています。このヴォールトを梁として扱い、奥の壁と繊細な鉄骨柱で支えています。