宮城県の伝統こけしを展示するための什器である。枝を伸ばすように、幅90mmの木材をレイアウトし、様々な場所や高さでこけしを間近で見られるようにした。地域の広葉樹(イタヤカエデ、サクラ、ケヤキ)を組み合わせ、木材1本につき、2本脚の不安定なパーツは、寄り集まることで安定するかたちをもつ。各部材の接合部は、着脱可能な支柱を中心に回転するディティールとし、空間に合わせて枝が変形することで、設置場所の特性に応じた展示ができるようにした。シンプルな各ディティールによって、特別な工具を必要とせず、展示される空間に合わせて形状を探りながら、簡単に設置できる機構になっている。森から木を切ることからはじまるこけしづくりと同様に、一般流通材を使用することなく、耳付きの木材がそのまま空間を漂うような什器となっている。

クレジット

  • 設計
    後藤充裕建築設計事務所
  • 担当者
    後藤充裕
  • 施工
    STUDIO DESSERT
  • 構造設計
    MOF
  • 撮影
    後藤充裕 / 公立大学法人 宮城大学

データ