
PROJECT MEMBER
「303」は和歌山県白浜町・円月島の向かいで先代が営んでいた民宿を改装したイタリアンレストランである。 南紀白浜の名の由来にもなった白良浜は関西屈指の美しいビーチであり、現地を訪れると街は白良浜の海とともに広がっている。そこには人が集い、街と海の強い繋がりを感じる。 この関係性のように「303」もこの地と結びつくデザインにしたいと考えた。 ファサードから覗けるダイニングエリアは、パーティションで構成されている。これはブルーのグラデーションフィルムを重ねたポリカーボネートのパーティションである。敷地の前に広がる海の景色をインテリアに映し込むと同時に、ダイニングエリアと奥にある個室とのプライバシーを曖昧にしつつ確保する役目、そして外構からのアイキャッチとして施している。ポリカーボネートは表と裏を繋ぐリブ材があり、光を屈折して映す。この特性を活かし現地を訪れた際、海で感じた陽の光によって表情を変える海景をインスピレーションに、ペンダントとブラケット照明がパーティションと重なるように配置し、光を乱反射させている。パーティションの表面はほのかに艶があるため、窓から差し込む陽入りは映り込み、時間とともに表情が変化する。ポリカーボ以外にもSUSヘアラインやリブガラスなど、映り込みや屈折の表情が豊かなマテリアル、それらと対比するような青の左官、モルタルや石灰岩柄のタイルなどで構成している。外部とシームレスで繋がった景色を取り込みつつ、光の屈折や映り込みによって白浜のエレメントを昇華させ、没入感のある空間を狙った。 (神田亮平/Roito)