代官町の家

ビルディングタイプ
戸建住宅
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181
日本 岐阜県

PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 撮影
    山内紀人
  • 施工
    株式会社 野村建設

良質な地下水が自噴する井戸も数多く、水の都と呼ばれるその街に計画した「水庭と中庭の持つ住宅」です。 敷地は商業地域にあり、南北で特性の違う2つの道路に挟まれた敷地にあります。 南面の道路はヒューマンスケールな建物が連なる町並みで、車通りも非常に少ない閑静な道路に面しています。 その反面、北側の道路は地元の方々の抜け道として機能し、車通りが多く騒々しさがあります。 敷地東側には境界際まで4階建てビルが立っているため、居心地の良さを作りだす仕掛けとして、中庭を建物の中心に据えたロの字型のシンプルな建築形状としました。 採光、通風、各部屋からの視線の抜けを付加する中庭空間は、騒々しい北側の道路から中庭空間を経て空間を繋げていくことで、南側の穏やか空気感へ馴染ませることを意図しています。街に馴染めるように軒先の高さを抑え、街行く人の目当たりの良さを大事にプロポーションにこだわりました。 シンメトリーな切妻屋根の形状は、昔からその場所にあったような力強さが生まれたように思います。 解体前の平屋の住宅には、作り込んだ和風のお庭と大きな池が南側に広がっていたことがとても印象的で、この地域特性として水を活かした設計を念頭に、南庭に水庭のある計画を進めてきました。 ラワンと漆喰を基調としたインテリアは、素朴で簡素ながら、どこか懐かしい雰囲気。 丁寧な納まりとすることで、近代的な印象に仕上がっています。 性能を担保しながらも、外部空間から得られる情緒性も大切にして、丁寧に設計をしてきました。 鎖樋を通じて雨が、水庭に流れるさま。 水盤の反射光が、天井面にゆらぎ、動きを生み出します。

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物件所在地

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