阿品の家

リフォームとリノベーションのあいだ 広島湾の海岸線から北に徒歩15分ほど登った丘の上の角地にあるこの住宅は、 南側には瀬戸内海や宮島といった眺望が望め北側には緑ゆたかな林が広がる、静かで落ち着いた環境にある。 築34年を数える木造2階建ての住宅はしっかりとした造りで、状態も築年数と照らし合わせても非常に良く、大きく手を加えなくても暮らすことはできそうだった。 クライアントは3回目のオーナーチェンジで所有することとなり、今まで丁寧に使われてきたこと感じ取ることのできるこの住宅を受け継ぎ、住みつなぐこととなった。 夫婦と子どもの3人家族。それぞれの趣味や暮らしかたを互いに尊重しながらも、各部屋をゆるやかにつなぐ空間設計を行なった。障子や壁紙といった素材は、外の光を柔らかく受け止め空間に静かな変化をもたらし、また屋根の小屋組から洩れるあらたな空間は、あたらしい生活に、ささやかな余白をもたらす。 構造を変更したり、大きな手を加えなくとも、材料の選定を丁寧に行い、施工方法も工夫することで、 住み手のライフスタイルに合った空間をデザインできること実感できたプロジェクトでした。 これから、じっくりと暮らしながら家が育っていく。

チーム

メンバー

クレジット

  • 撮影
    足袋井竜也
  • 設計
    ure
  • 担当者
    岩竹俊範
  • 施工
    テクシード
  • 制作家具
    アサヒ工芸

データ