PROJECT MEMBER
女性1人の美容室開業計画である。場所は鶴見駅前の線路沿いにある雑居ビル5F。 10坪にも満たない店内であるが、東側に大きな開口部があり、線路沿いのため眺望が良く、十分な外光が取り込めるテナントであった。 オーナーの人柄や、ヒアリングの中から、光の透明感に注目し、外光が物質を通した時の光の質の変化や、光の見え方が、水のようなしっとりとした透明感につながると考えた。大きな開口部から入ってくる外光を、レースカーテンやクリスタルブリックを通して柔らかい光に変化させ、左官壁が影をうみ、光のグラデーションに彩られる空間を目指した。天井はその光が包みこむようなヴォールト形状とした。 小さい店内であることから、マテリアルには、手触り感のある左官材を選定し、壁はザラザラした質感、受付台やカウンターにはテラゾー調のツルツルした質感の左官材を選定。色合いの統一をはかりながら、素材感の中に艶感、手触りのコントラストをだし、小さな変化を感じられるようにしている。