練馬区石神井台にあるマンションの改修で、開放性と一体性を持たせるように、天井を再構成したプロジェクトです。 平面は6.3m×11.8mの東西に細長く、改修前は3LDKに分割されていました。各部屋には窓が一つずつあり、そこには住まいとしてのゆとりや、部屋同士の繋がりが希薄で窮屈に感じます。また既存状況や経済性とのバランスも含め、解体は最小限とし既存平面の構成を活かすようなデザインが求めれれました。そこで天井を再構成し、既存住宅の平面構成の上に水回りボリュームを中心に放射状に伸びる天井をかけることを提案しました。 天井は既存配管を避けながら必要箇所以外はRC駆体まで解体し、高さ方向への開放性を確保しました。同時にこれまで分割されていたテラス側の2室は、ベッドボードにより機能的にリビングと寝室と分けながらも、一体的な空間に感じられるように2つの窓を囲うように天井が設けられています。 斜めの天井は半分は合理的につくられ、天井の高低は直下のアクティビティと呼応するように決められています。そして半分は非合理的に決められ、相反する関係が一体となってデザインされています。またそうした記号性をもったオブジェクトは細長い住宅をつなぐものとして作用します。 部屋の中心にある木の壁は55mmと72mmの2種類の杉板を用い、扉やベッドボード等に合わせ、3段に分けてランダムに貼っています。面に適度なリズムを与えながら、壁面収納や間仕切り戸が隠蔽されています。