にわをとりこむいえ

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 撮影
    上田宏
  • 設計
    萩野智香建築設計事務所
  • 担当者
    萩野智香
  • 施工
    山庄建設株式会社
  • 構造設計
    株式会社MAY設計事務所
  • 造園設計・施工
    温室 / 塚田有一

夫婦のための住宅である。 敷地は住宅地にあり、昔から暮らす人々と新しく暮らす人々が混じり合う地域にある。近くに桜並木の続く小さな川が流れ、広い庭を持つ住宅も多く、緑豊かな住宅地であった。 敷地形状が間口7m、奥行23mと南北に細長いことから、敷地全体をつかってさまざまな環境の居場所をつくろうと考えた。 また、建蔽率が50%に指定されており、敷地の半分以上は自動的に外部となってしまう。その外部空間も住まいの一部と身近に感じられるような住宅を目指した。 まず、個室や水回りは敷地西側半分に細長く2階建てにして配置する。それ以外の部分は全て広い庭、として考えた。その中に居間と食堂を配置し、そこにはただ大きな屋根だけがかかっているような環境をつくる。天井は木梁を現し、床をコンクリート、短手の外部との境界はガラスで仕上げることで、外部空間を引き込み、広い庭の中にたたずむ居場所となるようにした。 西側に配置した個室には開口を設け、緑を直接眺められる窓、居間の大空間を通して緑を眺められる窓、と、場所に応じてさまざまな外部との繋がりをつくった。家の中のどこにいても、外を感じることのできる環境となっている。 居間と地続きのようにつながる南北の庭は、道路からのアプローチ空間、近隣住宅との緩衝帯となる。街と住まいとの距離を保ちながら、新しい緑として街にとけこんでいる。

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