補足資料
PROJECT MEMBER
日本初の津波避難複合施設である。静岡県伊豆市土肥地区は海水浴場がある温泉街であるが、 L2南海トラフ地震では海抜10mの津波が6分で到達する。防災施設でありつつも観光施設として使うため、地域のシンボルである松原と海のあいだに避難タワーを建て、日常的には眺望の良い商業施設とするとともに、海・まちからの「ゲート」として新しい地域景観をつくる計画である。 海抜14mの高さに避難床/展望フロアを浮かべ、海水浴と相性の良い、風通しの良い広大なピロティ空間を実現。避難床へ至る幅広の階段を二重らせん状に配し、避難経路が一目で理解できるだけでなく、日常的に駿河湾の壮大な景観を体験できる散策経路としている。松原を尊重し、3Dスキャンを用いて松と建物をギリギリまで寄せ、松原への影響を小さくしつつ避難床面積を確保。架構としては漂流物衝突に対して冗長性のある組柱を採用、ビルト柱として寸法を絞り津波応力を小さくし、全体として門型フレームを作っている。アルミパネルの軒天や金属調の外壁が松原・海・夕日などの周辺環境を映し込み、建物のボリュームを自然に溶け込ませ、建物を周囲と調和する外観としている。