北長瀬の歯科と家

ビルディングタイプ
医療施設

PROJECT MEMBER

DATA

CREDIT

  • 撮影
    冨田英次
  • 設計
    SWING
  • 担当者
    金山大 / 姉崎隆介
  • 施工
    ミナモト建築工房
  • 構造設計
    一級建築士事務所ビオス

子供の虫歯予防・矯正治療に特化した歯科医院と、お住まいからなる木造施設です。 設計を進めていく中で、先生と医院建築への夢や様々なイメージを話し合いました。 ・「歯医者は楽しい場所、心地良い場所」と感じてもらうこと ・治療体験を通じて「歯について楽しく学べる」医院となること ・子供達が受診中に安心して見守れる環境をつくり、親御さん達にとって「地域の子育て拠点」となる施設を目指すこと といったコンセプトが導かれ、それらを豊かに体現する建築が求められました。 敷地は西の2車線道路に面し、他の三面は住宅やアパートに接する住宅地で、道路を挟んだ西側は田園と住宅が混在する典型的な郊外の風景が広がっていました。 敷地特性を踏まえ、西の道路に対し施設の存在を大きく示すような配置が導かれました。 クリニック然としたクールな建築ではなく、コンセプトに沿うような親しみやすい三角の大屋根による家型として立面を形成しました。 家型のフォルムは記号的で印象強さがありつつも、子供たちにとっても親しみやすい雰囲気を持っています。 末永く地域の方々に親近感をもって受け入れられるようにと形に願いを込めました。 本クリニックの目的や役割を先生とお話しするうちに、暮らしに根差した医院建築のイメージが定まりました。 豊かな地域産材である美作の杉・桧で構造を計画し、耐震等級は3を取得しました。 有機的で自然な安らぎを得られるよう、エントランスや待合をはじめ様々な場所で木構造をアラワシとしています。 ソヨゴのシンボルツリーと家型のフォルムが一目で覚えやすい外観上の特徴となっています。 また、住まいとなる2階は道路からのプライバシーをしっかりと守り、リラックスして過ごせる空間を目指しました。 待合横には、本院の特色でもある小さなお子様用の歯科トレーニングルームを配し、ガラス引戸をオープンにすることでそれぞれの空間が一体化するような可変性のある 設えとしました。 医院の内装は、木質化による優しい木の風合いとグレーを基調としたシンプルな配色としました。 強い西日から室内を守るため、西側の壁には極力窓を設けない立面でありながら、開口位置の工夫により、視線の抜ける開放的な空間となっています。 2階は生活の様子がなるべく外部に滲み出ない様にとのご要望を叶えるため、道路面には窓を設けずに開放感のある空間となるよう検討を重ねました。 屋根に沿って勾配天井がつくる大きな気積を利用し、リビングは上下方向の抜けを意識しました。 天窓、小上がり床スペース、低い天井高の和室などの組み合わせで、断面方向に様々な変化を与えています。

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