PROJECT MEMBER
沖縄県那覇市東町にあるスナックビルのリノベーションプロジェクト。 東町は那覇空港から那覇市に入った際の玄関口であり、まだ船舶が主流な時代は、「那覇ウフマチ(大市)」と呼ばれる市の中心地であった。 賑わいの中心が移ってしまった今でも個性的な飲食店が点在し、スナックは常連で賑わい、歴史の積み重ねによる魅力的な文化が存在している。 そんな地域の歴史と現代的なライフスタイルを融合させたディープな日常の延長が新しい那覇の魅力となることを目指した。 全6階の建物のうち、1~4階の既存店をそのままに、長く空いていた上層階を改修。6階は、イベント可能なコワーキングにしたことで、新たな利用者がビルを訪れ、街を盛り上げる仲間が集う場とした。 5階では、昼夜2毛作が可能な区画とし、モデルルームの役割としてドーナツカフェ&バーを施設のリニューアルに合わせてオープンしている。 ファサードは、夜のスナックビルの雰囲気を残しながら、昼は地元の人も観光客も受け入れるポップアートで装飾。通り沿いで販売できる露店スペースを設けたことで、中の賑わいが通りに滲み出し、ビルに入居する店舗が街との繋がり、朝から夜まで挨拶が行き交う。 共用部は壁の特徴的なパターンや階数表示等の人々の記憶に残っているものを要素として残すことで、これから訪れる人だけでなく、今まで来ていただいた方にもそのまま愛されるようなデザインを考えた。 コワーキングやカフェの利用者が、夜にはスナックを訪れ、泡盛グラス片手にママたちの語る土地のストーリーに聞き入り、またこの地域を盛り上げる担い手になるようなことを思っている。