伊丹の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 撮影
    貝出 翔太郎
  • 設計
    永江 光次

伊丹の家 既存の建売住宅を増築した計画である。 元の建物は、機能的ではあるものの画一的な設計で、施主にとって「スペースはあるが、居場所が少ない」と感じられるものであった。そこで、既存のリビングルームに接続する増築案を設計し、暮らしに豊かさをもたらす新たな居場所の創造を目指した。 ​ 増築部分には立体的なボリュームを持たせ、高さを変化させた複数のロフトを計画した。ライフスタイルに応じて柔軟に変化できる余白(ロフト)を設けることで、多様な家族の居場所となることを意図。完成後は、ロフトは主人の仕事スペースや趣味の空間、子供の遊び場として活用され、家族のライフスタイルに応じて多様に機能している。また、将来的には最上部のロフトを仕切り、独立した子供部屋として利用することも可能である。 小さいながらも空間に変化のあるワンルームは、家族それぞれ自分の居場所となりつつも、視線や気配を共有できる温かみのあるみんなの部屋となった。 ​ また、​隣地には両親の家があり、隣地と増築部分の間に庭を配置。周辺住宅はこの庭に対して裏向きの配置であるため、周りからの視線を気にせず過ごせる2世帯共有の中庭となる。中庭は住まいの内と外をつなぐ緩やかな橋渡しの場として機能し、家族のつながりを深める役割を果たしている。 増築計画により、空間を単に拡張しただけでなく、家族の暮らしに新たなつながる場を生み出し、未来に向けて柔軟に変化できる住まいを実現した。