田井の家Ⅱ

ビルディングタイプ
戸建住宅
アワードバッジ

DATA

CREDIT

  • 撮影
    笹倉洋平/笹の倉舎
  • 設計
    バウムスタイルアーキテクト一級建築士事務所
  • 担当者
    藤原昌彦
  • 施工
    株式会社バウムスタイルアーキテクト
  • 構造設計
    株式会社エヌシーエヌ

この住宅が建つ敷地は、奥様の祖父母が暮らしていた敷地を譲り受けた。敷地には、母屋と納屋が残っていた。リノベーションも検討したが、納屋は傷みがひどく母屋も手狭なため取り壊し、新築する事となった。家族3人と猫との住まいである。  クライアントの要望としては、緑豊かな庭のある暮らしと旧家の思い出を引き継げる場を求められた。敷地は広さもゆったりとある為平屋建てとし温熱環境にも配慮した計画とした。平面計画は、旧家の間取りを参考にし、計画を行った。また、建物が少し開いた形状をしているのは、旧家のアプローチをなぞりつつ、主室(LDK)を真南に向けているからである。家族の集まる主室は、大きな開口と天井高さ3,200mmを持つ三間角の空間とし、南からの光が心地よく入り込む様に設計を行った。温熱環境の観点からも、軒を1,000mm出し夏季は日差しを室内へ入れない様にし、冬季は主室の奥まで日差しが入る計画としている。玄関から続く和室は、襖を開け放つと玄関ホールの一部ともなりまた、奥様が幼少期から嗜んでこられた茶道を行える茶室ともなる様に設えた。この和室には、旧家から記憶を引き継ぐべく天井材・床柱・床板・一部の枠材を再利用した。そして、茶をもてなす際には、玄関から入ってもらうのではなく、東側の石畳を通り和室へ直接入られるように別のアプローチを設えた。  庭は、元々この地にあったミカンや柿木・ゆずなどを残し、裏手にある山と連続する様に植栽の配置や樹木の選定を行った。建物の屋根形状や樹木の高さは、背後にある山の稜線にあわせ計画と調整を行った。大らかな空間と来客をもてなす和室、庭が一体となり穏やかで心地の良い暮らしのできる住宅となったと思う。

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