育みの丘 紡ぎの学舎

ビルディングタイプ
小・中・高等学校
1
0
日本 愛知県

補足資料

全体配置図
図面
計画工程図
その他
多世代交流 ダイアグラム
ダイアグラム
配置図 兼 各階平面図 
図面
園庭広場(園児)
コンセプトイメージ
環境広場(小学生)
コンセプトイメージ
くつろい広場(中高生)
コンセプトイメージ
ワークショップ 広場づくり
その他

DATA

CREDIT

  • 撮影
    nacasa & partners
  • 設計
    RIN architect & associates
  • 担当者
    林誠澤
  • 施工
    イトー
  • 構造設計
    サダリ構造設計室
  • 設備設計
    ZO設計室
  • 外構設計
    NOHARA
  • サイン
    アトリエハル

育みの丘 紡ぎの学舎 在日コリアンの方々にとって、かけがえのない集いの場であり、拠りどころとなっているのが全国各地の民族学校である’朝鮮学校’である。愛知県豊明市の自然豊かな丘の上に、地域の人々の思いが結実した。 -多世代の子どもたちが織りなす育みと学びの場- 愛知県豊明市の自然に囲まれた丘の上に愛知朝鮮中高級学校は建つ。既存本校舎の老朽化と名古屋朝鮮初級学校付属幼稚園の本計画地への移転に伴って、①幼稚園・小学校棟②中学・高校棟の二棟の新設を柱とした段階的な整備を経て幼稚園から高校までの子どもたちが一同に集う教育の場「育みの丘 紡ぎの学舎」へと新しい風を吹込むプロジェクトである。 ①幼小棟は平屋と二層のボリューム、大屋根(屋内広場)からなる複合体になる。平屋にある幼稚園は大きなかまくらをイメージした園児室が特徴になり、園部の独立性に配慮しつつ、エントランスや広場などにより小学生と園児が日常的にふれあう。小学校は2学年を1単位として、縦の交流と成長の実感をもたらすエリア移動を伴う教室配置としており、それらがワークスペースや屋内広場と有機的につながる。 ②中高棟は公共部と教室部の二つのボリュームが雁行した形をとる。公共部はランドマーク=浮き屋根を有する小学生や地域住民も共用する空間であり、図書PCスペース、各交流スペースや特別教室などが配置され、小学校から渡り廊下によってつながる。教室部は中学(1階)・高等部(2階)の独立性とつながりが、普通教室、40mにも及ぶ教室前廊下、学生ホールといった各空間の設えとして実現される。 このような濃淡を持つ「公」と「私」が交錯する構成が、東門・中庭広場や、教育課程毎の広場(園庭・環境・くつろい)などの外部空間とあいまって、敷地全体で多世代による交流と豊かな教育環境が育まれることを期待している。 備考) 朝鮮学校は非一条校となり、小学校-初級学校、中学・高等学校-中高級学校 各相当 ① 幼稚園・小学校棟:名古屋朝鮮初級学校付属幼稚園(延床1498.05㎡) ② 中学・高校棟:愛知朝鮮中高級学校(延床1499.99㎡) また、日本の教育行政から十分な支援がないため、自己資金及び地域住民や支援者からの基金による厳しい環境下での建設事業となる。 「計画条件・計画工程」 1960年代に建てられた既存校舎を仮設校舎として利用し、開発・宅地造成に抵触しない建物高さ10m以下・現状地盤利用(残土の排出量抑え)等の諸条件の下での全体計画としている。 「各広場の特徴」 ・東門広場:①幼少棟と②中高棟をつなぐ渡り廊下がゲートになるアプローチ空間(床:インターロッキング)。 ・中庭広場:①幼少棟と②中高棟、渡り廊下に囲まれた多世代交流の中心(外壁:曙色の左官壁、銀黒色の金属壁) ・園庭広場(園児用):「学ぶ、遊ぶ、探究する」を主眼に計画した広場。園児室、縁側廊下、テラスと連続的につながり、築山を中心とした回遊性を持つ園庭とすることで、子どもたちの想像力と探求心を育み、遊びに奥行きが生れる。 ・環境広場(小学生用):菜園・ビオトープなどが配置された植育ゾーンと、遊具が配置された運動ゾーンの二つで構成された広場になる。植育ゾーンと運動ゾーンが有機的に連続することで、社会性、協調性など人間関係を育むための広場にもなる。 ワークショップ:自分たちの手で学校 “広場” をつくっていく 環境広場(含大法面)では、子どもたち自らが草むしりから始まり芝張りや樹木の植樹などを行い、その過程で、支援者の方々が参加するワークショップを複数回にわたって開催した。既存樹木の利用、生態系観測=土側溝などを作った。このようなみなで広場を充実していく活動は今後も受け継がれ、世代をまたいだ交流が生まれることを期待している。 ・くつろい広場(中高生):学生たちが敷設した芝生と丸太ベンチなどで、進学などを控えた多感な世代がくつろげるスペースになる。学生ホールと連続的につながり、何かしらの発表が行えるアウトドアクラスルームでもあり、学生たちの楽しみな植育の場でもある。 「中高棟ファサード:ブリーズソレイユ」 総合的な見地から既存校舎を利用しながらの全体計画となり、中高棟の建物正面がほぼ真西側に向くことになった。そのため西日直射に対して、公共部は大庇の上に風格と陰影を生む「格子状のフレーム」を設けた。教室部は外廊を構成する柱・梁フレームに伸びやかさと軽やかさを生む「金属ルーバー」を組み込み、全体のファサードをデザインした。

物件所在地

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