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ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 撮影
    久富景子
  • 設計
    田坂涼
  • 担当者
    田坂涼
  • 施工
    green建築工房
  • 構造設計
    ストローグ
  • 造園
    greenspace

大阪府高槻市に建つ戸建て住宅である。 敷地は住宅街が密集するエリアにあり、西側に接道している間口約10m、33坪の整形地であった。周囲が隣接建物に囲まれているが、東側に農業用水路が流れる。その水路によって抜ける景色に惹かれて、設計者自身の家族5人が暮らす2階建ての住宅を考えた。 暮らしの中に「外」を感じられる時間を生むことがこの家のコンセプトであり、根幹である。中庭にはジューンベリー・ブルーベリー・ハクサンボクなどが植わり、春には実や花を求めて虫や鳥がやってくる、秋には紅葉や落ち葉が揺れる光景を目にする。日常の中でふとした変化に対する気づきや日々の新しさを感じられる場所を目指した。 2階の空間は軸線を吹き抜けすることでトップライトからの光が1階まで届く。吹き抜けによって分かれたフロアは格子状の渡り廊下によって開放的に連続させた。 土地にある「土」によって動物の住処が作られたような、自然に近い質感を作るために外壁は土色の荒粒吹付塗装とした。アプローチに植わる常緑樹は夕方になると外壁に影を落とし、アシンメトリーにかけた切妻屋根の影と共に陰影は時間によって変化する。 外を感じるこの家で暮らす人がそれぞれの居心地の良い場所を見つけ、季節や天候によって着る服が変わるように暮らし方も変化していけばいいなと思う。

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