岩谷学園IT専門学校

ビルディングタイプ
大学・専門学校
4
21
日本 北海道

DATA

CREDIT

  • 撮影
    酒井 広司/グレイトーンフォトグラフス
  • 設計
    アトリエMEME / 第一宅建設計 / ケイ設計
  • 施工
    犬飼工務店 / 廣木建設
  • 構造設計
    Soaps

建設地である中標津町は、北海道の北東部に位置する日本有数の酪農地域。酪農業には近年、乳牛の健康管理、歩行誘導等さまざまな場面でIT/ICTが導入されている。これらに精通する人材育成が地域の課題となり、日本初の「酪農×IT」専門学校が地元行政や有志の支援のもと構想された。 この学校では、授業だけでなく放課後のグループワークや実習で学生が長時間学校に滞在することに着目。家のように心やすらぐ場所でもあってほしいと考え、「居場所としての校舎」のあり方を追求した。 教室を「家」と見立て敷地に沿って少しずつずらしながら連結。それらをヒューマンスケールの開口で接続することで棟間に程よい距離感を生み、学生の居場所を自然と生み出した。エントランスから進んでいくと開口をまたぐたびに多様な活動に出会い、街路や散策路を歩いているときのような期待感が生み出される。 この学校は住宅街の中にある。家がつらなったような立ち姿、フェンスなども一切ないランドスケープによりおだやかな町の風景と調和をみせる。事業主と行政の協力により実習棟は町のイベントスペースとしても活用され、学生だけではなく町の人たちも自然と集まる学校となる。 中標津町も地方の実情に漏れることなく、人口減少や若者の地元離れという不安を抱える。「建物があつまり、人があつまる学校」。設計初期から関係者と共有したキーワードだが、この校舎が文字通り町の人々の居場所となることを切に願っている。

物件所在地

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