千秋の家 / 曲がり土間の家

ビルディングタイプ
戸建住宅

DATA

CREDIT

  • 撮影
    高栄智史
  • 施工
    株式会社村上商店
  • 構造設計
    山辺構造設計事務所 担当 鈴木竜子

敷地は秋田千秋公園の久保田城跡の眼下に広がる市街地の一角。 冬は寒く雪に覆われる一方、盛夏には暑くなる地域です。 依頼主からは、ただ眺めるのではなく、土に触れ野菜を育て、子どもが育つ場としての庭が望まれました。 交通量の多い道路から最も奥まった南側に、家族の憩いの中心となる庭を設け、入口からその庭に抜ける、L字に曲がる通り土間を設けました。土間を奥へ進むほど表の騒音から離れ、プライベート性が高まり、居住スペースに繋がります。公的な空間から、家庭という私的な生活空間へ向かいます。 入ってすぐの通路状の土間は、外物置・靴箱・コート掛け・手洗いのスペースを兼ね、出入りの身支度が整う流れになっています。 折れた先の庭側の土間は開放的なガラスの箱で、夏は縁側、冬はサンルームのように庭と居住スペースを結びます。居住スペースは窓を小さく抑え、土間のある南にのみ大きく開けた、冬暖かく夏涼しい場所です。冷え込む冬の夜は、土間との間の建具を閉じることで、L字の土間全体が居住スペースを包む保温材の役目をします。 在宅で仕事をする奥様が、家族と適度な距離を保ちつつ仕事にも集中できるよう、仕事場は庭を挟んでリビングと直角に配置しました。家族がリビングでくつろいでいる様子や、庭で遊んでいる様子をいつでも身近に感じることができます。

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