京都競馬場スタンド

ビルディングタイプ
その他公共施設
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日本 京都府

DATA

CREDIT

  • 撮影
    近代建築社・伸和

歴史を継承し、まちに開かれた公園のような競馬場「パークテラス」 京都競馬場は、現在の場所に開設され2025年に100周年を迎える。 本計画はその記念事業として、1980年竣工のメインスタンドの全面改築、馬場全体の改造、厩舎地区も含めた施設全体の整備計画である。安井建築設計事務所の創業者である安井武雄の代表作である1938年竣工のスタンドから受け継がれ、今回で5回目のスタンド改築工事となる。 競馬場の大きなヴォリュームを生かした地域のランドマークとなるとともに、緑や木、自然の光や風を感じることができ、競馬ファンだけでなく誰でも楽しみ、くつろぐことのできる、まちに開かれた公園のような競馬場を目指した。 まち側となるパドック側はできる限り建物の大きなヴォリュームを分割する、ずらす、跳ね出すといった操作により圧迫感を低減し、ヒューマンスケールに近づける計画とした。また、段丘状の緑化テラスや360度どこからでもレース前の競走馬を確認できる周遊型のパドックリング、京都府産材の木と鉄を組み合わせた木鋼ハイブリッド構造の大庇により、木漏れ日のような空間の下で居心地の良い空間を作り出している。 内部空間でもトップライトや緑化、木材の利用により、明るく潤いのある計画とするとともに、随所で京都らしさを感じられる繊細な表現を目指した。 反対にレースが行われる馬場側のデザインは、競馬場の長大さを最大限に生かし、大きく3方に跳ね出しながら水平性を強調したスピード感あふれるダイナミックな景観を形成している。

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物件所在地

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