セントラルクリニック世田谷

ビルディングタイプ
医療施設

補足資料

1階平面図
図面
2階平面図
図面
3階平面図
図面
矩計図
図面
周辺配置図
図面
国分寺崖線との関係性について
ダイアグラム
テラコッタルーバー詳細図
図面

DATA

CREDIT

  • 撮影
    小川重雄
  • 設計
    TA+A
  • 担当者
    伊原慶
  • 施工
    ナカノフドー建設
  • 構造設計
    結企画 張暁光
  • 一部内装デザイン
    高島屋スペースクリエイツ
  • ランドスケープデザイン
    LAMD 加瀬泰郎
  • ファサードエンジニアリング
    旭硝子ビルウォール

国分寺崖線の環境を引き入れるグリッド ​ 緑や起伏に富み多摩川が 10 万年かけて削ってできた台地「国分寺崖線」の丘上に建つ、高性能 MRI と PET-CT 等の検査機器を持ち定期検診と地域の病院との医療連携を行う診療施設である。玉川八景として景勝地や保養の場で知られ長年文化と緑量を積み重ねた場で、周囲の緑を建築のフレームの中に柔らかく引き入れ景観を繋ぎ止めることを目指した。 ​ 世界中でも特に健診大国である我が国では、近年の健康増進や健康維持についての意識の高まりに対して、 医療機器の高性能化により未病の状態でもより精細に心身の健康管理ができるが、一般的には病院での検 査は精神的にも身体的にも負荷を伴うものだ。この施設では特に検査後に安静状態でリカバリーする時間を快適に過ごす空間や、自然を眺めながら寛ぐ最上階のラウンジ空間により気持ちよく受診できる施設構成を持つ事で他施設との差別化を図った。また日本国内でも先端画像診断機器を用いた高精度検診が行える施設が少なく、周辺病院との地域医療連携を図り貢献する診療施設としても役割を担う。 都内で二番目に緑化率が高い世田谷区の中でも特に緑が多い周辺景観を持つ上野毛で、国分寺崖線の多 様な植生や生態系を受け入れる柔らかさと医療機器の設置の為に求められる放射性同位体などの区画が持つ堅牢さを合わせ持ち周辺景観に寄与する事を考えた。幅5.0mのグリッドにより建築全体を包み込む事で屋上の中間領域を生み出しケヤキの木の枝葉が建築を覆う事で自然を受け入れる。南側の前面道路側を単層とすることで周辺の住宅街に対して融和する建物規模とした。北側に東急大井町線の線路を抱える立地のため、振動や磁場の影響を最小限にするため検査エリアを道路側に配置した結果、背を向けたような外観となる。土を焼成したテラコッタルーバーを前面道路側に浮遊する外装計画とし、35.0mの大きな外観を 242 本のテラコッタにより粒子状に細分化する事でファサードに賑やかさや時間ごとに変わる陰影を与えている。 歴史性と豊富な生態系に富んだ国分寺崖線の中で予防医療の基幹的な役割を担いながら、周辺景観に年月 をかけて根付き、鳥が飛来し、地域由来の植生に接続していくことを願っている。

物件所在地

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