PROJECT MEMBER
物件は昭和40年代開業の商店街の一角。 現在は半シャッター街ですが、たまたま全盛期を知っている私としては これからを担う若い方がその場所から新しいビジネスを始めるという事だけでも、奮起する理由として十分でした。 加えてお客さんの開業の意図や店舗のコンセプトに共感、それを具現化する為に最大の努力をしたつもりです。 永らく物販店舗(子供服店)であったその区画をほぼ一旦スケルトン近くまで解体し、飲食店用の設備を引く結構大がかりな工事となりました。 夜間のラウンジ営業を主軸にしながらも、昼はこの古い街にフィットした体に優しいランチを提供するお店… 昼顔と夜顔、お店にいわゆる2つの顔を持たせるというコンセプトの表現に留意しました。 昼は健康志向の女性メイン、夜は女の子目当ての男性メインという事でなかなか難しいミッションでしたが、清潔感・凛とした・非日常・解放感・行儀の良い・ナチュラル 等をキーワードにシャープだけど柔らかい空間創りを心掛けました。 恐らく50年ぶりにその姿を晒した躯体はかなりしっかりとしていたので床・壁・天井はなるだけソレを活かし、新しく立ち上げた壁は全て白のクロス仕上げ且つ店舗デザインでは初めてのソフト巾木を採用。 ハードとソフトのコントラストを意識し、お店の振り幅の大きい二面性の表現に耐え得る空間としての強いベースが出来たと思っています。 化粧木は暖かさと柔らかさの演出にとして全てシナベニヤを採用。 あと、これは毎度ですが高さ設定は数種に抑え、情報量を減らしています。 幾多のお客さんの希望を反映し、デザイン的な整合性を取りながら幾度も図面修正を重ねた結果、お客さんと我々の双方が周りに自慢できる良い空気感の空間になったんではないかと勝手に思っています。 プラン作成段階から完工に到るまでホント沢山のトラブルにも見舞われましたが、理解のあるお客さん初め工務店さん職人さんに助けられなんとか皆んなでフィニッシュ出来た事がより特別な財産になった事も加えておきます。 ラウンジでママをされていた方の独立開業としてお手伝いさせて頂きました。