PROJECT MEMBER
サーファーの聖地、千葉県一宮町の田園風景の中に建つセカンドハウス。 コロナ禍を契機にクライアント夫婦が求めたのは、都心のマンション暮らしとは別のたな生活拠点。リモートワークが進む中で、都会の喧騒から解放された暮らしを求めた。 敷地の前に広がる田園風景。建物はシルバーブラックの片流れの板金屋根、鉄黒のセメント素材の外壁で構成し、初めからそこに建っていたかの様な静かな佇まいを目指した。建物の南側はインナーテラスとして大きく開かれており、軒や袖壁を伸ばし、前庭との一体化を図っている。 内部は片流れの高い天井を持つ主室を中心に構成。レッドシダー張りの天井面は主室からインナーテラスまで連続し、開放感と温かみのある生活空間となっている。また薪ストーブの火を囲むコーナーや露天風呂のような設えの浴室等、ゆったりとした時間が流れる環境の中で、四季を通じて生活を楽しめる居場所を設けた。 (田園風景の一部としての住まい) 西側壁面は、SOLIDOの下見張りと出窓のみで構成。軒樋は省略し(雨水は砂利を敷き詰めた地面に浸透させている)、シンプルで無垢な表情の壁面が田んぼに対峙している。季節が移り替わる中で、建物が田園風景の一部となるように意図した。 竣工から時間が経過し、前庭の築山は緑のグランドカバーで覆われた。南側のレッドシダー張りの壁面も落ち着いた風合いになり、住まいが時間経過とともに土地に根を下ろしてきた。またオープンな前庭やインナーテラスによってご近所さんとのコミュニケーションも増えた様である。クライアント夫婦はリモートワークで週の半分近くをこのセカンドハウス過ごし、仕事の合間に庭の手入れを楽しまれている。週末は友人を招いて、庭に設けたファイヤーピットや室内の薪ストーブを囲いながら、お酒や食事を楽しむ。ゆったりとした時間が流れる中で、日々の暮らしを楽しんでいる。