補足資料
PROJECT MEMBER
地域に根差した産婦人科として長年診療を続けてきたが、事業継承を機にクリニックモールへと形態を変えることとなった。出生率の低下に伴い、従来のお産に関連する施設を維持する必要が薄れつつあり、今後の施設運営方法について数年にわたる検討が行われた。その結果、産婦人科をはじめとする複数の診療所や店舗を集めたクリニックモールに転換することで、地域への貢献を一層強化できるという結論に至った。 クリニックモールに転換するにあたり、まずは各テナント間の動線確保が課題となった。道路沿いにある2店舗や、各階の診療所へのアクセス向上のために、エレベーター棟の増築と外部階段の増築、さらには道路に面した店舗への動線の設置が必要となった。これまで自転車置場だった場所に新たにエレベーター棟が建設され、施設のメインファサードとして機能することとなった。このエレベーター棟は縦に伸びるデザインとし、横の動線にも配慮して屋根を設けることで利便性を高め、施設全体に一体感を感じさせる設計となっている。 新たなデザインの一環として、青いタイルがシンボルカラーとして採用され、それぞれの動線に沿った形で配置している。このデザインは、施設が新しい街のシンボルとなることを目指している。 後継者不足が問題となる中、医療施設における事業継承の方法を模索した結果、後継者の負担を軽減し、地域の発展にも寄与できる新たな形が実現した。このクリニックモールは、地域医療の拠点として今後さらに発展が期待されている