補足資料
PROJECT MEMBER
加古川市郊外での美容室新装計画である。 間口が広いテナントにおいて、本プロジェクトにおいては「プライベート感の演出」と「視線の抜け感」の両立ということが求められた。 一見相反するふたつの条件であるが、それぞれを満たすため本プロジェクトでは外部との関係性について考察してみた。 例えば、神社は参拝空間と境内を階段などで区切っている。屋台は暖簾やビニルカーテンで外と客席を区切っている。 それぞれ壁などはないが、ほどよく空間を分節している。 このように考えると、今回のテナントにおいても、段差・床のレベル差やカーテン状のものを取り入れることで外部と内部をゆるく区分し、プライベート感と視線の抜け感を両立できると考えた。 セット面は床を3段で上げることで舞台のように演出する。外部とレベル差をつけることで、ゲストにセット面へ向かう期待感をもたせ、外との距離感をもたせる。 また、その途中に金属メッシュ製のカーテンを吊り下げることで、程よい透過感と距離感を持たせることができる。 スケルトンな空間に対し、最小限の操作でありながらも外と内の関係性について一つのあり方が提案できたように思う。