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補足資料
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PROJECT MEMBER
DATA
- ビルディングタイプ
- 共同住宅・集合住宅・寮
- 工事種別
- リノベーション
- 延べ床面積
- 88.81㎡
- 竣工
- 2023-12
CREDIT
- 撮影
- 國友拓郎
- 設計
- HARUKA UCHIDA DESIGN
- 担当者
- 内田遥
- 施工
- 丸安商店
東京都にある築37年のマンションの改修。この住戸は、家主が自主製作している家具のショールームを兼ねた住まいの計画である。この計画で目指したのは、家具を展示しやすいニュートラルな空間をつくることだ。そのために家具の存在を際立たせる素朴な背景をつくることを考えた。 まずリビングについては、もともとL字型のキッチンと和室が入り組んだ歪な平面となっていたところ、廊下を排しキッチンを北側に追い出すことで、広々とした整形のリビングを取れるようにした。キッチンが廊下の役割も果たすことで空間効率を高めるとともに、廊下の壁を取り払ったことでリビングの光が玄関まで届き、訪れる人を明るい雰囲気で迎えられるようになった。 続いて立面の整理について。リビングの西側壁面を背景として整えるため、吊り戸棚によって既存梁を隠し、下部には窓の高さに合わせたベンチ収納を作り、二つの窓を上下から挟み込むようにして水平性を強調したプロポーションを構成した。さらにレースカーテンで壁一面を覆うことで、壁面を一段階抽象化することを考えた。リビングに置かれる重厚感のある家具に同調するように研ぎ出しコンクリートを使った厚い座面のベンチと重厚感のある飾り棚を造作した。 この住宅で気に入っているのは、キッチンの床が少し高くなっているところだ。給排水の配管の都合で仕方なく床上げしているのだが、それが意外な利点となり、リビングを眺める見晴し台のようなスペースを生み出した。部屋を移動する際に視界が移り変わることで、日常の中で気分転換をもたらしてくれる。