
PROJECT MEMBER
この住宅は、沖縄県糸満市にあり、テナントスペース、1 ルームの 賃貸を含む複合的住宅である。 施主の要望は、大きく3つ。 ①テナントと賃貸を含んだ併用住宅 ②テラスを楽しめる住宅にする事 ③趣味の植栽スペースを作ること。 計画地域は埋立地が多く、計画当初から「いかに基礎や地盤に関してコストを抑えるか」という事もテーマの 1 つになった。実際に、地盤調査を行うと支持層が深い位置にあった為、杭の本数を減らす事に重点を置き、地盤接地面を極力減らした2 層構造で平面をまとめていった。 まず長方形 12.9m*7.6m の外形に柱を 6 本配置し計画を進め、動線の確保と計画的な狙いから南西側、南東側の柱 2 本を北側に寄せて、五角形へと変形させ配置した。1.2F 平面計画は長方形の外形のまま 計画することで構造矩形の外側に室内空間が 1.2 階ともにせりだしていくように検討。ここには、「内外の密接化を作り出す」狙いがあった。 一般的に RC の柱、梁の構造矩形の範囲内は室内、矩形外は外という意識が強い。 そこに柱を移動させ且つずらす事で、構造外に設けていた庇やスラブが室内へ意図的に入り込むようにできないかと考えた。西側の主要道路面の 1 階には店舗、2 階には LDK と隣接するテラスを設け、そこにコンクリート打ち放しに仕上げた構造柱、梁、庇、床スラブを内外、上下共に連続的にみせた。 また敷地の立地として西側には道を挟み学校があるので今後も大きな建物がたつ可能性が低いことからも大開口とリビングから連続するテラスの位置は決まった。 テラスはクライアントの趣味である緑を楽しむスペースである。ただテラスをつくるのではなく内外の関係性を密接にするために、構造柱、梁、庇に囲まれる。風雨がつよくても躯体が植物と室内空間を守る緩衝材となる。庇や柱、梁、床スラブなどコンクリート打ち放しにすることで内外に同素材が連続し続ける。 開口からは躯体や緑が作りだす影や光や風が入り込む。この住宅は外も内も近い関係の南国の季節を楽しめる住宅となっている。