
PROJECT MEMBER
幹線道路沿いに建つキャンピングカー販売店である。クライアントは自社で車両の製造と販売を行う。すでに製造のための施設を近隣に所有しており、このプロジェクトでは販売事務所と納車用の車庫からなる簡潔なつくりを求められた。同時にローコストであることを求められ既成プレファブのカスタマイズから検討した。 農業用倉庫等に利用される軽量鉄骨造のプレファブを使用している。スケルトン・インフィルのような要領で軽量鉄骨の柱梁の内側に軽量鉄骨の間仕切りを設け、最小限の範囲で必要十分な室内環境を確保することとした。内装や電気設備、機械設備、断熱性のコスト合理化にはたらき、結果としてそれらを含み坪50万円程度で実現することができた。規格とは製造や流通に対して適正化のなされたものである。それを製作限界に近いかたちで使用することでコストメリットの最大化に繋がっている。 インターチェンジより程近い立地で車が切れ目なく時速50kmで行き交う。敷地内には多数の車両が展示される。周囲にはここを北限とする植栽を施している。気候変動に対する先回りのようなものだ。ある種類の合理性を求めたこの建物はロードサイドの景観に馴染み、人間工学的なプロセスで室内環境を製作するキャンピングカーの哲学と合致するものとなった。